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横丁一家 vs 突然一家のこと。

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今になって思えば、春先の横丁はなにかおかしかったのだが・・・。
木の芽時のなにかそういった気分がそうさせるのだろうなどと・・・。

例えば、まだ茶色の目立つ横丁の空き地の草原で、
独りぽつねんと虚空を眺める姉さん。
13_6_21_000.jpg

姉さんを横目に横丁周辺を隅々までパトロールするアニキ。
姉さんを追いかけているだけだと思っていたのだが、
それは姉さんではなく、まだ見ぬナワバリの侵略者の気配だとわかったのは随分後のことだった。
13_6_21_001.jpg

この頃、いつもは横丁のねぐらに引きこもっていることの多いJr.が、
なぜかこの木戸の横で、通りを眺めていることが多くなった。
これもまた春の…その気分の為せることなのだと思っていたけど。
13_6_21_002.jpg

おにぎりくんもまた、普段とは少し違う雰囲気で、横丁にある空き地の草原から、
ある方向を眺めることが多くなったんだ。
その横顔はまだ雪のあるころの幼い雰囲気とは違ってきていた。
13_6_21_003.jpg

横丁全体がなんだかイライラしたような雰囲気が漂っていた。
特に姉さんのイライラはこのとき頂点に達していたのかもしれない。
マナー違反の放置自転車には容赦ない鉄槌を浴びせる姿がそれを現していた。
13_6_21_004.jpg

ところでその頃、横丁では、とある”うわさ”が流れていた。

そのうわさとは「デカイ、見たことの無い白ネコが、向こうの横丁のそのまた向こうにいるらしい」というもの。

それは、横丁一家の面倒を見ている焼き鳥屋の大将から聞かされたものだった。
焼き鳥屋の大将は横丁一家をこよなく愛する人物で、
その妻である焼き鳥屋の女将さん同様、
横丁一家の面倒、猫マンション建築など横丁一家にとっては無くてはならない人物だった。

その大将の口から出たその情報…デマということは考え辛い。
ただ一点不安があるとすれば、その話をしている時の大将は、若干赤い顔をしていた…真昼間なのに。

ともかく、ネコがいるとなれば確かめざるを得ない。

その日から横丁の向こうの横丁のそのまた向こうに辺りを捜索する日々が始まった。

とは言うものの、俺にはその「向こうの横丁のそのまた向こう」には思い当たる節があった。

その前に横丁のことについて少し触れなければならないだろう。

この横丁一家の住む界隈はバブル期の地上げから逃れたあたりで、
古い低層の建物が並んでいる。
なかには木造の建物も残っているからその古さはこの街でも指折りだ。

この街は碁盤の目に条と丁目が交差している。
南北に走るとおりが丁目。
巾は約100m、東西に走るのが条、巾はやはり100m。
条と条の間には比較的狭い通り「仲通」が走っている。
なので、見かけの一区画は東西100m、南北約50mの長方形だ。

横丁一家の住む区画はそんな100×50mの区画にある。
先に触れたとおりこの界隈はバブルの再開発から生き延びた区画なので、
その区画に二つの古風な横丁がある。
あまりに古風な為、某映画のロケ地になってしまった位だ。
yokocho_map.jpg


区画の東1/3の地点に走る「焼鳥横丁」
(ちなみに、これはあくまで仮称。地元の人にはこの呼び名は通じない)。
区画のほぼ中央に走るもうひとつの横丁がある。
これを仮に「おすし屋横丁」と呼ぶ。
おすし屋横丁と焼鳥横丁の間には縦横約15メートルほどの空き地がある。
この空き地は原っぱになっていて高いフェンスに囲まれている。
そして区画の西1/3の地点にもうひとつの隠された横丁というか空間が存在する。
この空間は厳密には市有地で、袋小路になっており、
手前側は駐車スペース、奥には廃墟となっている木造の建物が朽ちかけながらかろうじて建っている。
この袋小路は早朝のみ出入口が開放されているが、昼前には出入口が南京錠でしめられてしまう。
つまり、昼から翌朝まで人間がほとんど通らない秘密のパラダイスとなるのだ。

思い当たるところとは、この袋小路の奥にある崩れかけの廃墟。
実は一時、アニキや姉さんがこの廃墟に住んでいたのだ。
その後、アニキや姉さんは焼鳥横丁の猫マンションに移り住んできたので、
この崩れかけの廃墟は、いわば「空き家」。
住むとすればこの袋小路こそ最有力と考えて間違いないのだ。

問題はその入口。
早い時間しか開いていない。
その上ちょっと怖そうな管理人にじいちゃんがちょくちょく出入りするのだ。
袋小路に入ったは良いが、じいちゃんと出くわすと面倒だ。
俺の廃墟探索は慎重の上にも慎重に行われた。

そんなある日、ついに俺は「その一家」と遭遇することになる。

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