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Posted by steampump on

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まだほんの小さかった頃のおにぎりくんと猫耳くんのこと。

Posted by steampump on   4 comments   0 trackback

こども「そこから何が見えるんだい?」
天使 「素敵な出来事さ」
こども「素敵な出来事ってなんだい?」
天使 「まだ見たことも無いことさ」
こども「見たことが無いのが素敵だなんて、なんで分かるのさ」
天使 「お前が見たことのある事は素敵だったかい?」
こども「そりゃあ素敵な事だってあったさ」
天使 「じゃあ、それの何倍も素敵な事を見たくないかい?」
こども「そりゃあ見てみたいよ」
天使 「じゃあ聞いてばかりいないでここまで飛んでおいでよ」
こども「どうやって飛ぶのさ?」
天使 「あきれたやつだ。お前は自分の背中に生えているのがなんだか知らないのかい?」
こども「僕の背中に何が生えてるってのさ」
天使 「羽根さ。見えないのかい?透明で太陽が透けて見えるほど薄くて軽い羽根さ。誰の背中にも羽根は生えているんだよ。君の友達にも、兄弟にも」
こども「お父さんやお母さんにも?」
天使 「残念ながら大人にはないんだ。その羽根はまだ見ぬものを見るために神様が下さったものさ。だからいろいろなものを見るうちに羽根は少しづつ消えていくんだ。さあ、そんなことはいいからここまで飛んでおいで」
こども「それは無理だよ。僕はまだ小さいもの」
天使 「軽くて小さな子供だから飛べるのさ。さあその羽根を広げて飛んでごらん。そうじゃない、羽ばたくのさ。ほら風が来たぞ。羽根を広げてごらん。息を胸いっぱいに吸い込んで…そらっ!」



その日、俺はおにぎりくんと猫耳くんが、この小さなビルとビルの隙間でピョンピョンと遊んでいるのを眺めていた。
二匹はもう俺なんて眼中にない様子で、子猫にしか分からない言葉と仕草で遊んでいた。



最初、猫耳くんがひらりと発泡スチロールでできた家の上に飛び乗った。
おにぎりくんはその様子を羨ましそうに見上げていた。



「僕もそこに上りたいよ。どうやって登るの」

「どうやってって僕にもわからないよ。ただ登ろうと思って飛び上がったんだ」



「飛び上がるってどうするのさ。そんな高いところに飛び上がることなんてできるかしら」

「そうだ!思い出した!最初はそこに前足を掛けて、その後は…どうするんだっけな?とにかく、えいって伸び上がるんだよ」



「僕にもできるかな?」

「そうだ!そこに前足をかけるんだ。後ろ足はそこに!そうだ!いいぞ!その調子!」



「見えた!箱の上が見えたよ!僕、そこに登れるね」

「さあ、僕の隣においでよ。もう少しだ!そら!」



「ああ、登れた!ああ、登れた!なんて素敵な景色なんだろう。あんなところまで見えるよ」

「今度は一緒にあそこに登ろう。あそこはきっとここより素敵な景色が見えるに違いないよ」



この日、二匹はこのビルとビルの隙間で「初めて二匹で見る風景」に興奮して、狭い箱の上を何度も何度も駆け回ったりしていた。
それは二匹の騒々しい足音にたまりかねたアニキが二匹をたしなめるまで続いたんだ。





その日、こどもは夢を見た。
夢の中でこどもは透明で薄くて太陽が透けるほど軽い羽根を羽ばたかせ、空の上の高い高いところまで登っては、地上近くまできりきり舞いをしながら舞い降りることを幾度となく繰り返した。
それはとても恐ろしくて、とても素敵で、とても愉快な経験だった。
空から見えた景色は素晴らしく、見渡す大地は限りなく続くように見えたし、空はどこまでも高かった。
こどもはそのころにはもう天使が言っていた「素敵な出来事」なんて忘れて羽ばたき続けた。
でも、もうこどもはその「素敵な出来事」が、この見渡す限りの大地と果てしない空の間に数え切れない程あることを分かっていたんだ。
いつか自分がこの大地と空を飛び回る事になることも。

Comment

ワニのゲーナ says... "イカロス"
今日のお話を読んでて、全く関係ないことだけど、、
去年、旅行先で見たピーテル・ブリューゲルの絵「イカロスの墜落」が目に浮かんだわ。
他にも「ベツレヘムの戸籍調査」とか数展あったけど私はこの「イカロスの墜落」が一番好き。
父親が作ってくれた羽をつけて、どこまでも高く高く上って行った結果、太陽に近づきすぎて墜落した主人公イカロスが絵の右下に小さく描かれ、他の部分にはいつも通りの日常生活が描かれている。
日常の中に見過ごされている非日常みたいな?そんな不思議な感じの絵でした。

無邪気に遊ぶおにぎりくんと猫耳君の姿にイカロスの高揚感を見たように思いましたよ。
2013.03.22 21:23 | URL | #- [edit]
steampump says... "Re: イカロス"
あの絵は不思議な絵ですよね(現物じゃなく写真で見ただけだけど)
改めて見て見ましたけど作者の意図がわからないなぁ(^^;;
現物見たらわかるのかもしれないけど。
墜落したイカロスはたいした水柱をあげるでもなく、まるで海の風景画に無理矢理イカロスの足を書き加えたみたい。
でも、舟や手前の人物に比べ不自然に大きく描いていて。
やっぱり現物を見なくてはわからないかもしれませんね。

おにぎりくんと猫耳くんはこの数ヶ月ですっかり大人に。
色んな経験をしたんでしょう。
いまやおにぎりくんは姉さんにべったり。
猫耳くんは相変わらずの引っ込み思案です。
この頃の猫耳くんはこんなにアクティブなんですねぇ。
2013.03.23 08:07 | URL | #- [edit]
ワニのゲーナ says... "しつこくイカロス"
実は私も、以前はなんかいっぱい人が描いてあって「ウォーリーをさがせ」みたいな絵だなぁと思ってみていたんですよ。
それが去年、テレビで彼の「バベルの塔」を立体模型にして、本当に描かれているバベルの塔が建造物として建っていることができるかどうかを実験しているのを見たのと、同時期に彼の作品を題材にした「ブリューゲルの動く絵」という映画をみて彼の絵をじっくり見て味わうようになりました。
蜘蛛の巣は中心のクモがいる所は小さいですよね?
そこから同心円状に巣はできているでしょう?
そんな風に彼は絵をつくっているらしいんです。
なので主人公になるものは小さいけれど、そこが中心なので、見る者の目はそこに導かれて行くのだとか、、
そして、クモ(巣の創造主)がいるところでとんでもないことが起っていても、人間たちは無関心でのほほんと日常生活を送っているんだよね〜 っていうのが彼の絵から読み取れることだとテレビの人は言っていました。
先日、大好きなロシア人画家の展覧会に行って学芸員のギャラリートークを聞きながら絵を見て回る機会に恵まれましたが、なんだか惹かれる理由が分かった思いがしました。
絵はただ観るだけでもいいけど、そのような絵の知識があるともっと面白いものなんですね?
興味の押し売りで、ごめんなさいm(_ _)m
steam_pumpさんが返答してくださってついうれしくなっちゃいました。

おにぎりくん、今うちにいるオリーブちゃんとおなじくらいで後ろ姿がおんなじ^^
猫はどんなこも可愛いけど子猫は特別ですね
2013.03.23 09:41 | URL | #- [edit]
steampump says... "Re: しつこくイカロス"
お返事遅くなりました。
じつは昨日、コメントを読ませて頂いた後、久しぶりに創世記を読んでました。
たぶん学生時代以来(^^;;
歳のせいかあの小さな文字を追うのはしんどくなりましたねぇ(^^;;
そんなわけでお返事が遅くなった次第です。

あ、因みに俺はあらゆる宗教を信仰してません。
無宗教と言うヤツです。
ただし、無神論者ではありません。
俺の神様は俺の胸の中にあります。

閑話休題。
なるほど〜。
同心円なんだ。
バベルの塔はまさに構図がそんな感じですね。
実は俺はイカロスの失墜よりもバベルの塔の方が好きな感じです。
あの絵の塔はニョキニョキとまるで欲望のまま積み重ねられているよう、
ただ、どう見ても天まで届くとは思えない。
人間の欲望や行いなど天上人には滑稽に見えたんでしょうね。
創世記を見るとバベルの塔は神によって壊されてはいない様ですね。
神様は人が散らばる事によって塔は自壊すると考えたのかな?
それとも人間の造るものなど取るに足らないと思ったのかな?

さて人間は恐らくこのバベルの塔より高い建物を建て、
創世記で神様が創った空より高いところを人工衛星がクルクルまわり、
近づくと即死する恐ろしい太陽を作りだし、
大地はおろか海底までほじくり返しているワケですが、
そろそろ神様が「やりなおし〜!」と言い出しそうです(^^;;
果たして今回神様は人間に箱舟造りを言いつけるかどうか?
それ以前に今度の箱舟に人間が乗れるかどうか甚だ不安です(^^;;

話が脱線しまくりです(^^;;
イカロスの失墜もバベルの塔も見てると言いようのない不安感を覚えます。
二つの絵はどちらも人間は逃げ場のない場所に生きているいます。
陸地は構造物で溢れ、断崖絶壁で暮らしていますね。
まるで二つの絵は黙示録のようですね。

2013.03.24 10:18 | URL | #- [edit]

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