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横丁一家 vs 突然一家のこと。

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今になって思えば、春先の横丁はなにかおかしかったのだが・・・。
木の芽時のなにかそういった気分がそうさせるのだろうなどと・・・。

例えば、まだ茶色の目立つ横丁の空き地の草原で、
独りぽつねんと虚空を眺める姉さん。
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姉さんを横目に横丁周辺を隅々までパトロールするアニキ。
姉さんを追いかけているだけだと思っていたのだが、
それは姉さんではなく、まだ見ぬナワバリの侵略者の気配だとわかったのは随分後のことだった。
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この頃、いつもは横丁のねぐらに引きこもっていることの多いJr.が、
なぜかこの木戸の横で、通りを眺めていることが多くなった。
これもまた春の…その気分の為せることなのだと思っていたけど。
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おにぎりくんもまた、普段とは少し違う雰囲気で、横丁にある空き地の草原から、
ある方向を眺めることが多くなったんだ。
その横顔はまだ雪のあるころの幼い雰囲気とは違ってきていた。
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横丁全体がなんだかイライラしたような雰囲気が漂っていた。
特に姉さんのイライラはこのとき頂点に達していたのかもしれない。
マナー違反の放置自転車には容赦ない鉄槌を浴びせる姿がそれを現していた。
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ところでその頃、横丁では、とある”うわさ”が流れていた。

そのうわさとは「デカイ、見たことの無い白ネコが、向こうの横丁のそのまた向こうにいるらしい」というもの。

それは、横丁一家の面倒を見ている焼き鳥屋の大将から聞かされたものだった。
焼き鳥屋の大将は横丁一家をこよなく愛する人物で、
その妻である焼き鳥屋の女将さん同様、
横丁一家の面倒、猫マンション建築など横丁一家にとっては無くてはならない人物だった。

その大将の口から出たその情報…デマということは考え辛い。
ただ一点不安があるとすれば、その話をしている時の大将は、若干赤い顔をしていた…真昼間なのに。

ともかく、ネコがいるとなれば確かめざるを得ない。

その日から横丁の向こうの横丁のそのまた向こうに辺りを捜索する日々が始まった。

とは言うものの、俺にはその「向こうの横丁のそのまた向こう」には思い当たる節があった。

その前に横丁のことについて少し触れなければならないだろう。

この横丁一家の住む界隈はバブル期の地上げから逃れたあたりで、
古い低層の建物が並んでいる。
なかには木造の建物も残っているからその古さはこの街でも指折りだ。

この街は碁盤の目に条と丁目が交差している。
南北に走るとおりが丁目。
巾は約100m、東西に走るのが条、巾はやはり100m。
条と条の間には比較的狭い通り「仲通」が走っている。
なので、見かけの一区画は東西100m、南北約50mの長方形だ。

横丁一家の住む区画はそんな100×50mの区画にある。
先に触れたとおりこの界隈はバブルの再開発から生き延びた区画なので、
その区画に二つの古風な横丁がある。
あまりに古風な為、某映画のロケ地になってしまった位だ。
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区画の東1/3の地点に走る「焼鳥横丁」
(ちなみに、これはあくまで仮称。地元の人にはこの呼び名は通じない)。
区画のほぼ中央に走るもうひとつの横丁がある。
これを仮に「おすし屋横丁」と呼ぶ。
おすし屋横丁と焼鳥横丁の間には縦横約15メートルほどの空き地がある。
この空き地は原っぱになっていて高いフェンスに囲まれている。
そして区画の西1/3の地点にもうひとつの隠された横丁というか空間が存在する。
この空間は厳密には市有地で、袋小路になっており、
手前側は駐車スペース、奥には廃墟となっている木造の建物が朽ちかけながらかろうじて建っている。
この袋小路は早朝のみ出入口が開放されているが、昼前には出入口が南京錠でしめられてしまう。
つまり、昼から翌朝まで人間がほとんど通らない秘密のパラダイスとなるのだ。

思い当たるところとは、この袋小路の奥にある崩れかけの廃墟。
実は一時、アニキや姉さんがこの廃墟に住んでいたのだ。
その後、アニキや姉さんは焼鳥横丁の猫マンションに移り住んできたので、
この崩れかけの廃墟は、いわば「空き家」。
住むとすればこの袋小路こそ最有力と考えて間違いないのだ。

問題はその入口。
早い時間しか開いていない。
その上ちょっと怖そうな管理人にじいちゃんがちょくちょく出入りするのだ。
袋小路に入ったは良いが、じいちゃんと出くわすと面倒だ。
俺の廃墟探索は慎重の上にも慎重に行われた。

そんなある日、ついに俺は「その一家」と遭遇することになる。

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横丁一家 vs 突然一家のこと ②

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横丁は、姉さん(♂)、アニキ(♂)、Jr.(たぶん♂)、おにぎりくん(♂)、猫耳くん(♂)の5匹の所帯。
まあ、色々あったが仲良しで暮らしていた。
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しかし、突如として語られ始めた謎の猫の噂。
噂は果たして真実なのか…。

とある晴れた日。
その日も俺はちょっと怖そうなおじいちゃんと遭遇しないように、
慎重の上にも慎重にその袋小路を検索していた。

その慎重な歩が功を奏したのか、
袋小路の廃墟の手前、
呑気に日向ぼっこをする猫をついに発見した。

しかもそこには3匹。
一匹は横丁の姉さんにそっくりな模様で鼻にも黒い模様のある猫(仮に「鼻クロ姉さん」とする)、
もう一匹、これがうわさのデカイ白猫だろう。黒い短いシッポ、ハチワレ模様の顔(仮に「ハチワレボブ」とする)
そして一番若いと思われる顔がバットマンのような模様の猫(仮に「バット君」・・・後にメスであることが判明する)の逃走を図る姿が!
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この突然現れた一家を俺は「突然一家」と名づけてウォッチすることとなるが、
やはり問題は「横丁一家」とのかかわりだった。
突然一家と横丁一家のねぐらの距離は直線で約30メートル程。
間におすし屋横丁と原っぱはあるが、7匹の街猫が暮らすことが可能なのかどうか・・・。
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突然一家を発見した頃、
横丁では既に突然一家の存在をキャッチしていたことは言うまでもない。
荒ぶる姉さんは語気を強めいつも以上にニャゴニャゴと言っていた。
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語意は分からない。
ただ、ご機嫌とは言いがたい状況だったようだ。
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アキニは突然一家の侵攻を水際で防ごうというのか、
最前線でパトロールと警戒を続けていた。
ちなみにアニキの前方は突然一家の住む袋小路だ。
もはやこうなると突然一家と横丁一家の衝突は不可避と思われた。
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そして数日後、恐れていた場面に遭遇することとなる。
そこには脅えた様子のバット君に無言でプレッシャーを加える姉さんの姿が。
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何とか逃れたいバット君はじりじりと動くが、
姉さんは逃さない。
姉さんの眼つきが尋常じゃない。
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あまりの怖さにアニキも物陰から窺うのみ。
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このときは隙を見てなんとか逃げ出したバット君だったが、
その後も横丁一家の鉄壁の警備が続く。
原っぱに続く猫道はもちろん…。
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おにぎりくんは袋小路をぬかりなく張り込み。
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配送のおっちゃん達もおにぎりくんはチェックを欠かさない。
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横丁はJr.が門番役。
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猫耳くんはマンション前で…。
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アニキはお花畑に潜んで…。(*このへんのくだりはほぼヤラセです)
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しかし、奴らはそんな鉄壁の守備を突破しやってくるのだった。

横丁一家 vs 突然一家のこと ③

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その日も晴れた日だった。
おすし屋横丁ので警戒中のおにぎりくんが俺の前で原っぱに走りこんでいく。
何かあったのか?
袋小路に繋がる道を覗き込むと、そこには驚くべき光景が…。
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突然一家の三匹が列を成しておすし屋横丁に侵攻。
前線を守っていたおにぎりくんも独りではなす術もない。
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ついにこの瞬間、おすし屋横丁陥落。
横丁一家に残された緩衝地帯はついに原っぱのみとなったのだった。
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ここでこの段階の横丁の勢力図を整理しておこう。
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まさに風前のともし火となったかに見えた横丁一家のナワバリ。
ここで姉さんは驚くべき行動に出る。
それはつまり「横丁離脱」とも思える、ナワバリ外への逃走だった。
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横丁から直線距離にして300m。
とある駐車場脇の茂みに姿を現した姉さんは、
バツの悪そうな顔で俺を見た。
姉さんの左肩の辺りにまだ癒えぬ疵。
その姿を見て俺は全てを察した。
姉さんは負けたのだ。
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横丁一家 vs 突然一家のこと ④

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姉さんのいない横丁。
ぽっかりと心に穴が開いてしまったのは俺だけではなかった。
おにぎりくんもこうして独り横丁の外で遠くを見るように座っていることが多くなった。
ただ単に涼んでいただけかもしれないが…。
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姉さんが横丁を離れて二週間。
行方は知れず、あの駐車場にも姉さんの姿はなかった。

その日もあてどなく俺は横丁を訪れた。
見ると横丁からJr.がこちらを見ている。
こうして見るとJr.の体型は姉さんに良く似ている。

Jr.は俺をいざなう用に木戸をくぐって、
ねぐらに入っていった。

Jr.に続き俺はねぐらの木戸を開ける。
薄暗い猫マンション前。
スノコの上に居たのは、Jr.と…姉さん?
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見慣れたシッポをクルリと翻し、
振り向いた顔は紛れもなく姉さんだ。
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姉さんは俺の顔を認めると、
ゆっくりと近づいてきた。
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その歩はまるで俺をじらすよう。
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光が届くところにやってきた姉さん。
間違いない。
その前足のヘンテコな模様、シマシマのシッポ。
姉さんだ。
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姉さんは俺の気持ちを察するかのように、
スノコの上にペタンと座って俺の方を真っ直ぐに見つめた。

そうか、分かってくれてるんだな。
心配したんだぞ。
メシは食えていたのか?
怪我は大丈夫か?
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おい!何とか言えよ!
俺がドンだけ心配したか!
お前も分かるだろう!
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…って、アクビかよっ!
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まあ、いいや。
んで、これからどうするんだよ?
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…まぁ、ねぐらのことも気になるよな。
ん?ぽりぽり…ってメシ食ってんのぉ?
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というわけで、姉さんは無事横丁に帰還してきた。
横丁一家と突然一家の関係、この後どうなるのだろうか?

そして、姉さんは何故このタイミングで横丁に帰ってきたのだろうか?
単にメシが食いたかっただけといううわさもあるが…。




横丁一家 vs 突然一家のこと ⑤

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姉さんが帰ってきた横丁一家。

一見平和が戻ったかと思われたが、
そもそもの紛争の原因である突然一家。
その一家の動向は不明のままだった。

と言うのも、突然一家の根城は例の廃墟の中。
一般人はその中に入ることは出来ない。

すちぽんは日夜突然一家の動向を知るべく、
おすし屋横丁近辺を探っていた。

そんなある日、おすし屋横丁のビルの隙間にバット君が現れたのだった。
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今日のバット君、お腹がなんだかタルンとしている。
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しかもなんだかとてもフレンドリーだ。
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そして、いきなり俺の前でゴロリンだ!
…って!おい!アレ?
バット君!あんたオッパイあるじゃないのよ!
てか、女の子なの?
そしてなんかお腹おっきくない?
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驚きのあまり近づくすちぽん。
バット君はポリバケツの影に隠れてしまった。
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しばらく観察をしているとなにやら背後に気配。
姉さん登場だ!
いけない!このタイミングでは身重かもしれないバット君改めバットちゃんと鉢合わせ!
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姉さんは迷う様子もなくやってくる!
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こっ!これはマズインじゃないのぉ!
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次の瞬間、目を疑う光景が!
姉さんに駆け寄るバットちゃん!
危うし!バットちゃん!
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…って、え?
ナニこれ~!
*ここからは ホイットニーヒューストンの「ボディガードのテーマ」を思い浮かべながらご覧下さい。
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バットちゃんに促されるようにポリバケツの陰に向かう二匹。
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ついてゆく姉さん(♂)は既にバットちゃん(♀)の虜だ。
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こうして二匹はこの後、仲睦まじくポリバケツの影で逢瀬を楽しむのでした。
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fin




と言う訳で、横丁一家と突然一家の抗争劇は、姉さん(♂)とバット君改めバットちゃん(♀)のラブストーリーという、思いがけない形で幕を閉じたのでした。

今後はこの二匹のその後を静かに見守るのみですが、
気になるのは、このラブストーリーに振り回された形の、横丁の男子面々、突然一家の皆さんのその後。

はたしてどうなることやら…。

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